※前記事
夜遊び、
女遊び、
タバコ、
酒、
喧嘩、
家出、
クラブ、
ギャンブル、
バイク・・・・・・。
14才にしてはあらゆる遊びを網羅する刺激的な毎日。
夜の間だけが唯一、孤独から逃れられる癒しの時間でした。
同級生が試験勉強やスポーツに真剣に打ち込んでいるなか、僕はみんなとまったく違う方向へ走っていたのです。
しかもわき目も振らず、全力疾走で。
類は友を呼ぶといいますが、まさにその頃は同じような境遇や考え方を持った人間関係が僕の周りに形成されていました。
『いつ死ぬかわからないんだから今日がたのしければ良い。』
そんな考えを1ミリも疑うことなく感覚だけで生きていたんです。
夕方まで寝て日が暮れるころに仲間と合流し、今夜もまた夜遊びを繰りかえす。
飽きたらまた新しい刺激を探す。
まるで何かにとり憑かれているかのように刺激を追いもとめる毎日。
そんななか、ある事件をきっかけに身柄を拘束されることが決定しました。
スラックスにスニーカーという明らかに何らかの組織だとわかるイカツイ男が7~8人で自宅のあらゆる窓や勝手口に陣取り、その時を待ちます。
時間は早朝5時30分。
部屋の異様な慌ただしさに目をあけるとそこには複数の知らない男たち。
つい1時間まえに夜遊びから帰宅して私服のまま眠りについたばかりの思考停止状態では、状況を把握するのに時間がかかりました。
『ついに男に犯される日がきたか!終わった…。』と、わけの分からない危機感にひとり焦りながら。
逮捕状は淡々と読み上げられ、手錠と腰縄を装着されたあと促されるままにハイエースの後部座席へ。
結果は初犯という理由から、少年鑑別所送致が確定。
少年鑑別所ではご飯の量が多く僕は監視カメラのついた一人部屋に入れられていたので、運動もあまりさせてもらえずブクブクと太っていきました。
・・・と、どこまで書いて良いのかわかりませんが、書けるところまでは書いていきたいと思います。
少年鑑別所では入所した少年の心の中を把握するために、さまざまな心理テストが行われます。
少年鑑別所で心のなかをまんべんなく調べあげられたあとに大人でいうところの裁判ですね、少年審判が執りおこなわれるわけです。
少年審判では結果的に初犯ということですぐに自宅へ戻ることが出来ましたが、そこにはいつもの孤独が待っています。
案のじょう、すぐに仲間と合流しまた夜遊びを繰り返すようになりました。
そしてあろうことか出所して14日目には、また別の事件を起こしてしまいます。
※すみません、ここは省略させてください。
少年院送致がほぼ確定していましたがケガで入院していたこともあり、その入院の間に書いたB5ノート2冊分の反省文と両親が身元引受人という立場を担ってくれたこと。
そして関係者の多大な恩赦によって、更生の意思を信じていただくことが出来ました。
それから仲間とは一切の縁を断ち切ると同時に自宅にこもり、哲学書や心理学の書物、脳科学やビジネス書籍などあらゆる本を読みあさる日々に没頭しました。
なぜかは今だに謎ですが、この時期には不思議と孤独感は感じなくなっていました。
気付けば19才。
『環境を変えよう…。このままじゃ人生が詰んでしまう。』
翌週、片道のチケットを取り空港へ。
住む場所も仕事もお金も頼りも、何も持たないまま…。
ただ、行き先だけは決まっていました。