たとえば六本木ヒルズほどの巨大なビルのどまん中にこれまた巨大な穴をあけて龍の通り道にするなど、香港ではあらゆる場面において風水やゲン担ぎを大切にしているようです。
ちなみに僕は商売を始めて9年目(2017年現在)になりますから、約9年間だれからも給料をもらわずに生活してきました。
サラリーマンと違って毎月同じ額のお金が銀行口座に振り込まれるわけではありませんし、その月によって収入が違います。
ザッと言うと、良い時もあればそうでない時もある。
特に商売を始めたばかりのころはその不安定な現実に気持ちが上下左右、ときにはナナメにといった具合にあらゆる方向に揺れ動いたりもしました。
ところがそんな不安定な収入状況とひきかえに、ありがたいことに圧倒的に自由な人生を生きられているのではないかと思います。
ときには今でもその不安定さにイラ立つこともありますが、それでも僕が商売を続けているのはやはり僕が商売を根っから大好きだからではないかと、香港を旅してみて改めて実感しています。
「安定しているが究極の不自由人生」よりも、
「不安定だが圧倒的自由な人生」のほうが個人的には性に合っているようです。
それでも毎月の収入は多いに越したことはありませんし、お金はないよりもできるだけたくさんあったほうが楽しいですから、自分で変えられない事を執拗に悩むよりも、自分で変えられる部分を変えていく努力は怠りたくないものです。
もっと欲を言うならば、自分で変えられない部分だからこそ「誰か」が良い方向へ変えてくれたらいいなと、そんな欲張りな考えをあわせ持つ自分もいます。
その「誰か」というのは、目に見えない大きな力、神様、あるいは運気。
どんな商売にも波がありますから、どうせなら優秀で良質な波をいつも引き寄せておきたいものです。
香港滞在6日目。
いよいよ香港人や旅人でモミクチャの大都会香港に飽きてしまったのでしょうか?
気付けば香港島最南端へ向かう船のチケットを握りしめていたのでした。
どうやらこの船が香港島への連絡船のようです。
昼は喧騒とハイブランドファッションで身を固めた人だかり。
キャリーケースの山をまるで引越しのようにガラガラと運ぶ、大陸ならではのアカぬけないチャイナ軍団。
夜はネオンとこれまた人、人、人でごった返す香港どまんなか、それが尖沙咀(チムサーチョイ)。
香港は新宿歌舞伎町のように、金さえ払えば欲望がすべて叶ってしまう。
ここは24時間ねむらない不夜城。
都会に住むのが嫌になり、そして都会に住む必要性が人生から消滅したからこそ沖縄移住したというのに、どういうわけか、いま僕は香港という大都会に来ています。
地下鉄やタクシーで香港島へ向かうのも味気ないので、決して豪華と呼べない船でまず香港島へ向かいました。
外国人が続々と乗り込んできます。
(僕も外国人なわけですが…)↓
宿泊先の尖沙咀(チムサーチョイ)から香港島まではフェリーで7~8分程度↓
乗船客のそれぞれがおのおのの目的をもち、香港島へ渡っていきます↓
たいして美しくもない海を横目に、揺れに身を任せます↓
往復便とすれ違いました。
息つく間もなく香港島上陸↓
おじさんがロープをたぐり寄せ船を引き寄せます↓
バスで香港島最南端へ向かうわけですが、いったいどこへいけばいいのか?
ひとまず人の波についていけばそのうちバスターミナルへ着くでしょう。
そんな計画性のなさもまた自分の一部だと受けいれながら↓
香港島も大都会↓
バスターミナルへの連絡通路にめちゃくちゃに歌がうまいストリートミュージシャン↓
これまたノスタルジックな旋律をなぞるものですから、しばらく聞き入ってしまいました。
バスターミナルからみた香港島のコンクリートジャングル↓
財布からHK$13.6(約200円)を抜きとり、運賃箱へチャリンと吸いこませ当たり前のように2階席を陣取る↓
目的地は香港島南にあるレパルスベイとスタンレー(赤柱)。
バスナンバー6xとやらに70分揺られればあとは勝手につくようです↓
香港トラム↓
香港市内とそこまで変わらない景色。
車窓から↓
僕の席から3~4席ほど後ろで日本人ギャル4人組がキャッキャと騒いでいます。
この20才そこそこの日本人ギャルたちも香港に溶け込むためなのか、日本人スタイルのハイブランド武装をほどこしています。
やはり日本人はオシャレ。
(もちろん香港人もオシャレ)。
30分ほど揺られると、それなりに自然が↓
どうやら着いたようです。
ここではレパルスベイとテンハウミュウ(天后廟)から運気をもらいます↓
この階段を降りるとビーチあり、そこからレパルスベイが見えるようなのでそそくさと降ります↓
ノドがカラカラ。
と、そこに良いタイミングで売店が↓
ココナッツはその場でトントンと割ってくれます↓
…わずか8秒ほどで飲み干してしまいました。
500のペットボトルほどは入っていたでしょうか。
このココナッツは日本へ持ちかえってリビングに飾ります↓
ビーチからレパルスベイが見えました。
もはやこの建物自体に風水がほどこされたパワースポットのようです。
真っ白なデッキシューズに砂が入り込まないよう、右足、左足と波打ちぎわまでゆっくりと歩を進めます。
左を見るとこう↓
右を見ればこう↓
すでにお伝えしましたが、このレパルスベイの真んなかあたりの穴、これが山からくる龍の通り道を断ち切らないようにと設計された穴のようです↓
この穴ですね↓
ビーチ沿いを5~6分ほど歩くと、
テンハウミュウ(天后廟)にたどり着きました↓
日本のお寺や神社では考えられない色づかい。
このテンハウミュウ(天后廟)では
子宝、結婚、長寿、健康、金運、商売繁盛などが期待できるそうですね。
お線香は3、6、9といった具合に、奇数が縁起が良いようです↓
このようなパワースポットへ来ると、さっきまで浅かった呼吸が気付けば深呼吸に変わっているのは不思議です。
「スンっ」、とします。
たとえば京都駅からその足でタクシーに乗りこみ清水寺あたりにつくと、なぜか気持ちが妙にスンッとなるのと似た感じですかね。
もう「スンっ」、とします。
金箔に赤に黄色に黒にみどりと、きらびやかです。
ガジュマルと絡んだ神様の数々がまた南国と神秘を感じさせます↓
この場所のあらゆるパワーを沖縄へ持ち帰りたいと思います。
欧米人カップルがマルっとなぞっていたので、
マネしてマルっとなぞります↓
運気が高まってきた気がしてきました。
たとえそれがただの思い込みだとしても、高運気の持ち主だとセルフイメージが固まれば運気は向こうから勝手にやってきます。
目に見えない大きな力との付き合いはそのくらい自由でいいんです。
この先にも行ってみますね↓
この黄色い鯉か龍魚か分かりませんが、パックリ開いた口にコインを投げ入れて見事入れば願いが叶うとされています。
(※龍魚=流れが急な龍門滝を登りきった鯉は龍になるという伝説。登竜門)↓
白人女性がコインを投げ入れています↓
大人3~4人が手をつなぎ、グルリと囲んでも囲みきれない太さのガジュマル。
神聖な気持ちというのか、力強い気持ちにさせられます↓
このまま尖沙咀(チムサーチョイ)に帰るのも退屈なので、今いるレパルスベイからスタンレー(赤柱)までバスで向かいました↓
レパルスベイからスタンレー(赤柱)までは、バスに10分も揺られれば到着します。
香港島最南端スタンレー(赤柱)は、田舎の観光地といった具合です↓
バイトで貯めた20万円を茶封筒に押しこみ、しばらくの着替えをギュウギュウに詰め込んだボストンバッグ。
それひとつで九州の田舎から上京した19才のころ。
コンクリートジャングルでの暮らしに慣れたころから妙に都会人ぶるようになり、東京という大都会にすこしづつ、すこしづつ染め上がっていきました。
僕が香港の田舎にフラフラとたどり着き、初めてみたこのスタンレー(赤柱)という土地が妙に落ちつくのは、そもそも僕が田舎者だからなのかもしれません。
そんな当たり前のことを異国の田舎に降り立ったときに、改めて思い出しました。
(田舎と言えどスタンレーほどではありませんでしたが…笑)
のんびりとしていてゆるい空気が流れています。
スタンレーでは中国発祥の縁起物である「花文字」で名前や商売繁盛などの文字を書いて額にいれてくれるので、お土産によさそうでした。
でも個人的には店先に飾られていた字体が好みじゃなかったので、今度家族で台湾にいったときにでも書いてもらおうと思い、やめておきました。
どこか台湾松山の五分埔服飾特区(ウーフェンプー)を思い出させる雰囲気↓
・・・と、近くで怒鳴り声が聞こえてきます。
「何事か?」と声の聞こえるほうへ歩いていくことにしました。
すると↓
スタンレー(赤柱)という香港のこの田舎町から世界のトッププレイヤーを目指すのでしょうか?
少年たちが必死にサッカーボールを追いかける姿が自分の子供と重なってしまい、その場でしばらく固まってしまいました。
どうやら怒鳴り声のヌシは、黒人コーチの指導の声だったようでした。
この先はもう何もありません↓
時刻は香港時間の18時。
日本と香港の時差は1時間なので日本時間で19時。
スタンレー(赤柱)から尖沙咀(チムサーチョイ)への直行バスでそそくさと香港大都市へ帰ります。
車窓から↓
タワーマンションや高層ビルがズラリ。
香港という小さな土地柄のせいなのか、どのマンションもお隣さんとの距離が信じられないほど近く、ひとつひとつの部屋の密集度が尋常じゃありません。
それにしてもまるで鶏小屋のよう↓
この巨大マンションらしき建物の真んなかにも、山からの龍の通り道を邪魔しないための穴があけられています。
風水がいたるところに盛り込まれている意味では、もはや香港自体がパワースポットなのかもしれません。
・・・と、左を見れば香港のリアル↓
きれいに舗装されたアスファルトの1本橋をクネクネと降り、2階建ての我がバスは香港市内を目指します↓
2階建てでわりと高さのあるバスなのに、なんとこの急カーブを臆することなくガンガン攻めます↓
香港人(というよりアジア人)の感覚はほんとにおそろしい。
特にやることもないバス車内。
キンドルで本を読んでいるうちに、気付けば尖沙咀(チムサーチョイ)に着いていました↓
つい数時間まえに土地勘のない香港で慣れない交通機関に飛びこみ、船を乗り継ぎバスに揺られ、みたこともない香港の田舎へたどり着きました。
しかしなぜでしょうか?
尖沙咀(チムサーチョイ)という都会に飽きて飛び出したはずなのに、夕暮れどきにいざこの欲望と誘惑にまみれた香港どまんなかへ帰ってくると、なぜか妙に落ちついています。
どうやら僕はときに好きな場所や静かな場所へみずから出向き、ひとりでじっくりと自分を取りもどさなければならない性格のようです。
その場所は海や山、それに都会、またはカフェだったり、はたまたどこかのホテルだったり、あるいは海外だったり。
場所はどこであれ、自分が大好きな場所のストックをいくつか用意しておくともっと上手に息抜きしながら日々を生きられるのかもしれません。
香港のパワースポット、レパルスベイとスタンレー(赤柱)。
いつかあなたが香港をおとずれた際にはフラリと寄ってみるのもいいかもしれません。
PS.
たとえば占いやパワースポット巡りも度が過ぎると、どこかの誰かに信じられないほど高価なツボなんかを買わされそうです。
仕事でも恋愛でもなんでもそうですが、適度に楽しむくらいがちょうど良さそうです。
占いやパワースポットもそれと同じで、気持ちがちょっぴり高まるくらいに適度に信じるのがよさそうですね。
でも占いやパワースポットめぐりなどをして自分の気持ちが少しでも高まるのなら、それは運気上昇効果があると言えそうです。
というのは気持ちが変わると行動が変わりますし、行動が変わると結果が変わります。
例えば女性なら、朝のメイクがバッチリきまり買ったばかりの服を着てでかけると、歩きかたや仕草がまるで変わってしまうのが分かりやすい例ですね。
ただ単にメイクのノリがよく、新しい服を着ただけで気持ちが高まり晴れやかな1日を過ごせるようになる。
それにちょっとしたことで、歩き方や仕草まで美しくなってしまう。
このように気持ちの力というのは日々、非常に強力な影響を僕らの心にもたらしているようです。
だとすれば目のまえの現実や少しさきの未来くらいなら、自分の気持ち次第で自由にデザインできるということなのかもしれません。
先ほどもお伝えしましたが、気持ちが変われば行動が変わる。
行動が変われば結果が変わる。
おそらく人生とは思った以上にシンプルです。
難しくするのはいつも自分でした。
自分の気持ちや感情の動きにはつねに注目し、自分をハッピーで豊かにする思考以外はすべて捨ててしまうくらいがちょうど良さそうですね。
「ああ、なんか憂鬱でしかたない…」と思ったならそれを受けとめたうえですぐさまそんなループ思考は捨て去り、音楽や映画や料理やゲームや運動をする。
(いつまでも憂鬱にひたらないのがコツ)
「将来が不安でしかたない」と思ったなら、その不安はまだ現実に起きてないから大丈夫と受けとめたうえで不安にならないための行動を起こしていく。
(自分が変えられることだけに努力する)
「あの人に嫌われてしまったかな…?」と思ったなら、好きか嫌いかは相手が決める事であって、あなたらしさを好きになってくれるひとだけに好いてもらえばいい。
たった1つだけの個性を自分の手でつぶさない。
(世の全員に好かれるのは120%不可能)
とはいえ、こんな話にどこまで共感頂けるかは分かりませんが、実は出来事はいつも中立で自分自身がその出来事の意味づけをおこなっています。
僕らが良し悪しを決めるまでは実は、日々おこる出来事は中立なのですね。
これは恋人と映画館へ行き、エンドロールが終わり、カフェで映画の余韻を語りあっている時が分かりやすいかもしれません。
その映画のあるシーンであなたは号泣したのに、隣をみると恋人はケロッとしていた、といった具合に同じ作品を見たのに出来事への意味づけがそれぞれ違うわけです。
それと同じで良いことなのか悪いことなのかをあなたに決められるのを、その出来事は待っているんです。
どうせならすべての出来事を前向きにとらえながら気持ちはいつもハッピーにもっていきたいものです。
たった1度きりの貴重な人生ですからね。
こんな時代だからこそ泣いて過ごすよりも、笑って過ごすほうがお得なのかもしれません。